トイアンナのぐだぐだ

まじめにふまじめ

懸賞に当たりやすくなるシンプルで科学的な方法

この半年くらい、懸賞に応募していた。マーケティングの仕事で懸賞企画を作っていたからだ。応募してみないと、応募者の気持ちはわからないので。というわけでポチポチやっていたところ、当たったのは以下の通り。

 

  • LINE Clova Friends
  • ディズニーランドのチケット
  • JTBギフトカード 5万円分
  • シャンプー&コンディショナー ペアセット
  • ハワイのホテル宿泊券
  • 美術館のペア鑑賞券

 

ニワカ懸賞応募者にしては、そこそこいいもの当たったんじゃない? というか、世の中にある懸賞テクニックの類が迷信じみてやしないかい? というわけで、懸賞キャンペーンを何度も施策側として実施したことのある身として、当選確率を上げるシンプルなテクニックをお伝えしたい。

 

 

倍率が低い懸賞は当たる

身も蓋もない結論だが、倍率が低い懸賞に応募すれば当たる確率は上がる。倍率が低い懸賞に応募しようQ.E.D. ……なんて言っても人をムカつかせるだけなので、倍率が高い懸賞とはどういうものかを、ここから書いていく。

 

1 マニアックな景品が当たるもの

マニアックな景品は倍率が低い。たとえば、賞金100万円は誰でもほしい。元ZOZOの前澤さんが配った100万円はとてつもない高倍率となった。

それに比べて「〇〇さんのサイン本」などは需要がガクンと下がる。だから当たりやすい。当選した例だと美術館の鑑賞券は、気になる人しか応募しないため倍率が下がる。

 

また、意外と人気がないのは海外旅行と車だろう。海外旅行は休みがある人にしか応募できない。車は駐車場代や維持費を負担できる人にしか所有できない。車なんて売ればいいじゃん、と思うかもしれないが、大抵懸賞の車は受け取ってから1年売れなかったりするのだ。

 

正直、安価な駐車場で寝かせてから売っても駐車場代くらいはお釣りがくると思うが、そこまでして車が欲しい人は少ないだろう。結局、人は使いたいものに応募するのだ。海外旅行もアメリカやヨーロッパは高倍率だが、名前も聞いたことのないマニアックな国や、治安が危ぶまれる地域はねらい目だと思われる。

さらに言えば「航空券だけ」「宿泊券だけ」など旅行するなら一部自己負担が発生する懸賞は応募率がぐっと下がる。

 

マニアックでいえば、ペット用品など「必要な人が限られる」アイテムはそれだけで応募者が減る。対極にあるのがコスメや食品。「緑茶〇本セット」「お米5kg」なんかは、金額換算だと大したものではないはずが、使いたい人口が多いため高倍率になりやすい

 

工数が多いもの

応募までに手間がかかるものは、ぐっと応募者数が下がる。代表的なものにクローズド懸賞(〇〇を買った人から抽選で〇名様へプレゼント!)がある。もともと購入したいものがある人は、ぜひクローズド懸賞に応募しよう。それだけで当選率はぐっと上がる。

 

他には「難易度が高いクイズに正解した人から抽選で〇名様にプレゼント」「動画を見て応募したらプレゼント」などが挙げられる。中でもダントツに応募者が減るのが、アンケートの事前記入で "弊社のサービスのいいところを教えてください"という質問があるキャンペーン。

懸賞サイトや検索経由で応募する人は、そもそもサービスを知らない。いいところを書かされても「知るか」となる。また、応募先の企業を接待させられている気分になるのも心証が悪い。キャンペーンの目的にもよるが、正直募集する側がアホだと思う。

……だが、懸賞を当てたい側からすれば、こういうアンケートにモヤモヤするサイトこそ応募した方がいい。なにしろ、みんなが離脱するのだ。当たりやすくなるに決まっている。相手のいいところくらい、穏便に書いてやればいいじゃないか。落ちても何か失うわけでもないし。

 

他にも「〇〇に会員登録し、サービスの感想を投稿したら抽選で〇名様へ」など条件がいくつかあると、応募者数はガツンと下がる。すばらしい。応募しよう。

最後に、画面遷移数が1P増えるだけでも離脱率がぐっと上がる。画面遷移がやたら多くてイライラするページに応募しよう。自分もイライラするが、せいぜいクリックする回数が増えるだけじゃん。

 

この真逆を行くのがSNSのRT/フォローだけで応募できる懸賞。秒で応募が完了するものは当選倍率が上がるので、懸賞を当てに行く側としては避けたほうがいい。募集しているブランドを応援したいなら、フォローで応募してあげてほしい。

この手の施策を打っている担当者は、「なんかSNSってやつが、最近すごいらしいじゃないか。フォロワーだっけ、見る人間をとにかく増やしなさい」とお上から言われて泣く泣くやっていることが多いので。

 

3 得意じゃないと難しいもの

川柳、キャッチコピー、フォトコンテストなど、得意な人には応募しやすいが、苦手な人はもはや懸賞とみなさないジャンルは応募者数が減る。たとえば、とあるアンケート記入だけで応募できるキャンペーンは、1万人以上が応募した。一方、テーマに合った標語の募集では応募が1,000件未満だったこともある。

川柳でも「お~い、お茶」などメジャーどころの川柳は応募者が殺到する。それに対して「北海道帯広市をテーマに」「ハワイでの思い出を」など、マニアックなテーマは倍率が下がる。また、文字数が増えれば増えるほど応募者が減る。一言より川柳、川柳より物語系に応募しよう。

 

懸賞を当てに行くなら過去の入賞作を見て、審査の傾向を掴んでいくこと。製品に関するエピソードを語らせるものでは、おおむねポジティブ感動系が受ける。

家族とのめぼしい思い出は応募前にストックしておいた方が何かと便利。いきなり感動した話を思い出せと言われても、人はまごついてしまう生き物なので。

フォトコンテスト系は、写真が趣味ならぜひ応募したい。なにしろ新しく撮影しなくて済む可能性が高いからだ。特に「〇〇の思い出」などテーマが絞られているものは倍率が下がる。見聞きした話では、賞金〇〇万円単位でも応募者が3ケタまで落ちることもあるそうだ。

 

4 露出が少ないもの 

テレビや雑誌で拡散しているものは、誰もが見るので当たりにくい。露出が増えれば、応募が増える。大手懸賞サイトに載っているものも、応募者が多いのでやめたほうがいい。楽天の宿泊券シリーズも、応募者がめためたに多い。よほど辺鄙な場所で、グレードの低い宿でないと当たらないと思った方がいい。私は辺鄙な場所に応募するのが好きだから楽しんでいた。(けど、やっぱり当たらなかった)

 

大手メーカーは告知媒体を多数持っている可能性が高いので倍率も上がる。たとえば、飲食品はTVCM、店頭ツール、Webサイト、SNS、雑誌に告知を出せる。ここまでやられたら、応募は1万を超えるだろう。(クローズド懸賞を除く)

 

逆におすすめなのはすでに使っているサービスの愛用者だけに届く懸賞の告知。たとえばはてなブログで「〇〇をテーマにブログを書いてくれたら……」といったもの。応募者が少ないので当たりやすい。いろいろなサービスの会員にだけなっておくのも悪くない。人生、ささいなところにチャンスがあるものだ。

 

多くの人が知っていて、なおかつ応募者数が少ないのは健康保険に加入していると会社で配られる冊子についてくる懸賞。図書カードなどももらえるが、あれは応募者が少なそうだ。みんな微に入り細に入りは読まないしね。

ただし、マイナーサービスだからといって会社所在地もあやういようなサービスに応募しないこと。変なところに個人情報売られるかもしれないので。

 

5 地域性・ライフタイムがあるもの

高知県民だけ応募できる」など、募集要項に地域性があると応募者は減る。また、「オムツ1年分」「結婚式場の利用券」など人生のあるタイミングでしか応募できないものはたとえ景品が豪華でも人数が減る。

 

まとめ

すべてをまとめると、「マニアックな景品で、応募が面倒で、特技がないと応募しづらくて、あまり告知されておらず、人生のある時期にしか必要ないもの」は当たりやすい。当たり前だけれども、なぜかどこにも書かれていなかった。

 

というわけで、最後に応募者数が限界まで減りそうな=当選確率の高い懸賞を用意したので、応募したい人はどうぞ。(想像するに、応募者は20人を切ると思う)

 

書籍『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』を筆者サイン付きで3名にプレゼント。そもそも、ここまでブログを読んでいないと募集にすら気づけない。猛者だけが応募できる仕組みだ。10月末日23:59までにトイアンナのTwitterをフォローしたうえでDMで「懸賞のブログを見ました、本が欲しいです」と「恋愛の悩み」を添えて連絡してください。本を送ります。

恋愛の悩みを添えてもらうのは応募者数を減らしたいからで、特に抽選には影響しません。当選者にはDMで連絡します。個人情報は恋愛遍歴も含め一切他に利用しません。

 

懸賞にほぼ影響がない迷信たち

逆に、このあたりはほぼ迷信といって差し支えない。

・熱意のあるラブレター

・ハガキのイラスト

・会社のサービスに媚びるコメント

・記念切手での応募

・早めの応募

・デコったハガキ

・神社で祈祷してもらったハガキ

 

特に大手の懸賞ではこれらの行動で当選確率は上がらない。ハガキ応募なら読みやすい文字を書いてほしいだけだ。読めないと失格扱いになりうるから。あと、切手代を間違えないでほしい。(消費税変更で値上げあり)当選確率を揺るがすのはそれだけだ。

 

最後に、ネット応募される方へ。みなさん、ものすごく住所や氏名、電話番号を間違えている。慌てないで。大量に応募しているから間違えるのは分かるが、携帯電話番号とか、自動入力に頼りすぎたせいで080-080-0808とかになることが多い。こういうのは書類不備で落ちる。

 

マーケター向け:懸賞キャンペーンの改善案

最後に、施策を実施する側へ向けた真面目な話もして終わる。

 

ブランドイメージが残る懸賞キャンペーンをしたいなら、動画を視聴してもらうべし。懸賞応募者は他の懸賞も応募している可能性が高い。すなわちブランドの記憶が残りづらい。そこで動画を視聴した方のみへ応募できる仕組みにすれば、ブランド名が残りやすい。CMの使いまわしでも構わないが、できればオリジナル動画が望ましい。

 

懸賞に紐づいたアンケートほど、意味のないものもない。懸賞でブランドの好感度調査などをしたくても、応募者は媚びてきてしまう。買いたくもないものを「ぜひ欲しいと前から思っていた」などと答えてしまうので、あまり調査の意味がない。アンケート調査を実施するなら、ニュートラルな場面での調査が望ましい。ぶっちゃけ、Twitterの投票機能の方がまだ精度が高い。

 

有名人のグッズよりも肉が圧勝。以前、世界的な有名人のグッズを景品にしたことがある。テレビ、店頭、すべてで告知しても応募者が泣ける数だった。人に紐づいた募集はどうしても応募が減る。応募者を増やしたいなら、現ナマか和牛5kgに限る。個人的にはこだわりのあるプレゼント、大好きなんですけどね……。実は私の自宅には、応募者がまさかのゼロだったために持ち帰ったある有名人のサインがあります。切ない。

 

賞金の額で応募者数は大きく変わらない。Amazonギフト券1,000円プレゼントと、10万円プレゼントの応募者数はあまり変わらない。高額になると当たる人数が減るから期待値が下がってしまうんだと思われる。その点、100名に100万円を配った元ZOZOの前澤さんはすさまじい。企業にもそんな予算はない。

100万円を1名にプレゼントするより、1000円を多数へばらまいたほうが予算を削減しつつ応募者を確保できてよい。応募する側の視点では全く夢がないけれど……。マーケターとしてはシビアに提案せざるを得ない。

 

では、よい懸賞ライフを。

 

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これは文中に出てくる(笑)本です。ここからクリックしても応募にはならないので注意してください。