トイアンナのぐだぐだ

まじめにふまじめ

感じたことを書いて、人生の音に耳をすませる

感じたことを書くのが苦手です。

 

私が文章の書き方を最初に学んだのは、高校の卒業論文

20ページはあろうかという書き方マニュアルには、論文として成立させるための条件が並んでいました。

 

私が日々書いていることが"論文"の要件を満たすとは言えたもんじゃありませんが……。

「主張をするなら、その根拠を書くこと。根拠はできれば統計や実験データに基づくこと。データがないなら、最低でもヒアリング調査を入れること」なんて原則は、私の体にばっちりと沁みこんでいます。

 

恋愛コラムでも、基本的にはヒアリング調査をして……なんてことを繰り返していたら、話をお伺いした数が1,000人を超えて。いよいよ私の文章は、論文じみてきました。論文じみた体裁の裏で、言いたいことをぶちまけて、いっそ欺瞞じみてきました。

 

そして感じたことを、そのまま書くことが、どんどん苦手になってしまいました。

このままではいけないと思って、感じたことを書きたい。 

 

たとえば、世界には薄い膜がはってあることとか。

10年以上感じてきたことなのに、うまく言葉にできませんでした。

 

そう、世界には薄い膜があります。

みんな、言葉を薄い膜に乗せて話しています。だから話題は膜の上で"はずむ"のです。

 

膜を張るのが苦手な人もいます。

舞い上がった言葉が、なけなしの風を失ってぽとりと落ちるとき。

 

落としたひとが「しまった」という顔をして、何もかもが台無しになって。

 

周りが"この人は会話をはずませるスポーツが下手なんだ"という目ではなくて、こいつは劣っているのだ、という目を向けるのを、じっと見ていました。

 

いつかこのスポーツの人気が、なくなればいいなあ、と思っていました。

 

わたしは膜を貼るのが苦手で、そのへんは小学校あたりでもうあきらめてしまったので、排斥されることもそれなりにあったけれど「膜がないねえ」と面白がってくれる人がいて、動物園の珍獣として生きてきました。

 

もっと正直に言うと、膜が苦手なだけじゃなく、きらいでした。

だって膜は「会話を続けるスポーツ」なので、手段はどうしてもいいのです。

 

嫌われ者を作って椅子を投げつけるのも、他人の膜が破れていると笑うのも、これまた良いことなのですが、私は耐えきれずに膜をバリバリさいてしまいました。

 

でも、指を真っ赤にするまで力を入れ、膜を張る方にだって事情があります。

 

椅子を投げつけてでも、膜を学校で張りつめていないと、家ではズタズタに引き裂かれているのかもしれません。私だって、自分の膜を守るために人を何度も繰り返し、傷つけてきました。

 

 

それでも、会話の中で膜を必死に広げて、張って、盛り上げようというあの熱狂的なスポーツが、どうしても好きになれないのです。

 

そういう感じたことを、感じたように書く訓練を、今年はしていきたいと思います。

 

 

こうすると、世界に満ち満ちた音が、よりよく聞こえるようになります。

この音を完全に失っては、いけないような気がするので。

 

今週のお題「2020年の抱負」

パパ活を続けていた女子の人生が5年間でぶっ壊れるまで

かつて、パパ活女子を見る機会に恵まれた人生だった。古美術にウイスキーと若くない趣味のおかげで、仲間が中年男性ばかりだったのだ。男性には金持ちも多く、側には若い女がいくらでもいた。といってもトップレベルのモデルではない。

 

キャバクラやクラブで遊び慣れた男は思う。話の受け答えができる、適度に賢くて生意気な女子大生はいないのか? こうして六本木や青山のホームパーティに、何も知らない子が足を踏み入れる。

 私だって例外ではない。就活中だった当時、面接の帰りに突然「いまから合コン来れない?」と連絡が来て、初めて六本木ヒルズのパーティへ足を踏み入れたときは心臓が張り裂けそうだった。東京に実家があるとはいえ、閑静な住宅街とギンギラギンの都心は別世界。想像してほしい。エルメスとシャネルに囲まれた黒髪ひっつめ、リクルートスーツのいたたまれなさを。場違いさにしんどくなり、宴会芸でオモシロ変人枠を獲得し、早々に逃げ帰った。

 

そこで、おいとましなかったらどうなるか。

おいとましなかった子は、贅沢を覚えてしまう。都会には何でもある。無垢な女子大生は龍吟 SUGALABOロブションと行っただけで話題になるレストランや会員制のバーもセックスなしで手に入る。だって男性はあなたの知性に惹かれたのだから。

そして好奇心の強い女子ほど、すぐ新世界に慣れてしまう。ことさらに同年代男性が背伸びして連れて行ってくれるお店がつらくてたまらない。こんな店で頑張った感を出されても……と思ってしまい、どちらからともなく関係が切れる。

 

その点「パパ」たちは女子大生の心の濁り具合まで把握している。美味しいレストランに飽きたなら僕が出資している個展へ行こうよ。今度フェラーリ所有者限定の試乗会がサーキットであるんだけどどうかな? そこそこ学もあって知的好奇心が強い女子大生ほど、こんな誘いに惹きつけられてしまう。

しばらく経つと、怪しい場所へも誘われる。麻布で有名なプレイルームもどきの個室カラオケや2人きりの別荘。女子大生はここで選択を迫られる。自分が寝るか、他の女を用意するか

 

パパ活女子はここで男を抱くほどの責任を持てない。もともと自分の知的好奇心を満たすために年上男性と楽しい時を過ごしてきただけで、寝るつもりはさらさらないからだ。だがきらびやかな生活は捨てられないし、今までの恩を無碍にもできない。

「こんど可愛い子を連れてくるね♡」と約束して、パパ活女子は女衒役を買って出る。

 

この世に金持ちと寝たい女子大生が溢れていたなら、彼女も困らなかったに違いない。だが現実には普通の真面目な子たちが圧倒的に多い。パパ活女子が最初は普通の女子大生だったように、彼女が誘い込むのは普通の友達である。その中には「危ない世界」を察知して逃げ出す女性もいるだろう。そうしてパパ活女子はまともな同性の友達を失っていくのである。

女子大生を紹介できるのがバリューだったパパ活女子にとって、友達を失っていくことはおじさん相手の「在庫切れ」を意味する。数年たてば女子大生もただの会社員、おじさんたちからLINEをブロックされて終わりだ。

 

それでも壊れた金銭感覚は戻らない。

たとえば数か月に1度ご飯を奢ってもらう程度なら金銭感覚はぶっ壊れないだろう。だがそれが週に1度となれば話は違う。私が見てきたパパ活女子たちは、おぞましい頻度で贅沢を味わっていた。

就活で外資投資銀行にでも入り込めば「前はおごってもらってましたけど、今や自分の金で週1ロブションですよ、アッハッハ」と笑える豪快な人になるだろうが、そういう子はとっくに逃げ出している。

 

パパ活女子の末路はあまりにテンプレ通りなので詳細を書くほどのこともない。風俗で贅沢を補てんするか、金持ちの浮気相手になるか、病むかだ。

パパ活女子は最初からあざとい女ではない。ただ目を輝かせるだけでもてなされる世界を知ってしまった。それだけなのに同年代の男子と恋愛ができなくなり、友達も失った。男からは体よりもさらに表層的な「若さ」だけを搾取されてしまった

成人同士の付き合いだから、どちらが加害者とも被害者とも言えない。むしろ、女衒になった時点で彼女たちも加害者側だ。ただ私の知っているパパ活女子はいま、数年がかりの追いはぎに遭ったような目をしている。

彼女たちが大量のお金を注ぎ込まれ、奪われたと感じるのは、若さが換金できると知ってしまったからだろう。自分でも気づかぬまま、肉体よりも大事な時間や金銭感覚を販売したと、思い知るからだ。

 

もしあなたに「不動産オーナーのパーティがあるんだって」と誘われたら覗きに行ってもいい。ホームパーティは少し危ないのでオープンスペース限定で。誘ってくれた子がパパ活女子でもあなたへの悪意はきっとない。ただし、見学したらすぐ戻ってきてほしい。もしその贅沢がどうしても欲しくなってしまったら、自分でお金を稼ぐにはどうすればいいかを考えてほしい。

 

※この記事は2016年に初稿執筆し、2019年に加筆したものです。

 

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懸賞に当たりやすくなるシンプルで科学的な方法

この半年くらい、懸賞に応募していた。マーケティングの仕事で懸賞企画を作っていたからだ。応募してみないと、応募者の気持ちはわからないので。というわけでポチポチやっていたところ、当たったのは以下の通り。

 

  • LINE Clova Friends
  • ディズニーランドのチケット
  • JTBギフトカード 5万円分
  • シャンプー&コンディショナー ペアセット
  • ハワイのホテル宿泊券
  • 美術館のペア鑑賞券

 

ニワカ懸賞応募者にしては、そこそこいいもの当たったんじゃない? というか、世の中にある懸賞テクニックの類が迷信じみてやしないかい? というわけで、懸賞キャンペーンを何度も施策側として実施したことのある身として、当選確率を上げるシンプルなテクニックをお伝えしたい。

 

 

倍率が低い懸賞は当たる

身も蓋もない結論だが、倍率が低い懸賞に応募すれば当たる確率は上がる。倍率が低い懸賞に応募しようQ.E.D. ……なんて言っても人をムカつかせるだけなので、倍率が高い懸賞とはどういうものかを、ここから書いていく。

 

1 マニアックな景品が当たるもの

マニアックな景品は倍率が低い。たとえば、賞金100万円は誰でもほしい。元ZOZOの前澤さんが配った100万円はとてつもない高倍率となった。

それに比べて「〇〇さんのサイン本」などは需要がガクンと下がる。だから当たりやすい。当選した例だと美術館の鑑賞券は、気になる人しか応募しないため倍率が下がる。

 

また、意外と人気がないのは海外旅行と車だろう。海外旅行は休みがある人にしか応募できない。車は駐車場代や維持費を負担できる人にしか所有できない。車なんて売ればいいじゃん、と思うかもしれないが、大抵懸賞の車は受け取ってから1年売れなかったりするのだ。

 

正直、安価な駐車場で寝かせてから売っても駐車場代くらいはお釣りがくると思うが、そこまでして車が欲しい人は少ないだろう。結局、人は使いたいものに応募するのだ。海外旅行もアメリカやヨーロッパは高倍率だが、名前も聞いたことのないマニアックな国や、治安が危ぶまれる地域はねらい目だと思われる。

さらに言えば「航空券だけ」「宿泊券だけ」など旅行するなら一部自己負担が発生する懸賞は応募率がぐっと下がる。

 

マニアックでいえば、ペット用品など「必要な人が限られる」アイテムはそれだけで応募者が減る。対極にあるのがコスメや食品。「緑茶〇本セット」「お米5kg」なんかは、金額換算だと大したものではないはずが、使いたい人口が多いため高倍率になりやすい

 

工数が多いもの

応募までに手間がかかるものは、ぐっと応募者数が下がる。代表的なものにクローズド懸賞(〇〇を買った人から抽選で〇名様へプレゼント!)がある。もともと購入したいものがある人は、ぜひクローズド懸賞に応募しよう。それだけで当選率はぐっと上がる。

 

他には「難易度が高いクイズに正解した人から抽選で〇名様にプレゼント」「動画を見て応募したらプレゼント」などが挙げられる。中でもダントツに応募者が減るのが、アンケートの事前記入で "弊社のサービスのいいところを教えてください"という質問があるキャンペーン。

懸賞サイトや検索経由で応募する人は、そもそもサービスを知らない。いいところを書かされても「知るか」となる。また、応募先の企業を接待させられている気分になるのも心証が悪い。キャンペーンの目的にもよるが、正直募集する側がアホだと思う。

……だが、懸賞を当てたい側からすれば、こういうアンケートにモヤモヤするサイトこそ応募した方がいい。なにしろ、みんなが離脱するのだ。当たりやすくなるに決まっている。相手のいいところくらい、穏便に書いてやればいいじゃないか。落ちても何か失うわけでもないし。

 

他にも「〇〇に会員登録し、サービスの感想を投稿したら抽選で〇名様へ」など条件がいくつかあると、応募者数はガツンと下がる。すばらしい。応募しよう。

最後に、画面遷移数が1P増えるだけでも離脱率がぐっと上がる。画面遷移がやたら多くてイライラするページに応募しよう。自分もイライラするが、せいぜいクリックする回数が増えるだけじゃん。

 

この真逆を行くのがSNSのRT/フォローだけで応募できる懸賞。秒で応募が完了するものは当選倍率が上がるので、懸賞を当てに行く側としては避けたほうがいい。募集しているブランドを応援したいなら、フォローで応募してあげてほしい。

この手の施策を打っている担当者は、「なんかSNSってやつが、最近すごいらしいじゃないか。フォロワーだっけ、見る人間をとにかく増やしなさい」とお上から言われて泣く泣くやっていることが多いので。

 

3 得意じゃないと難しいもの

川柳、キャッチコピー、フォトコンテストなど、得意な人には応募しやすいが、苦手な人はもはや懸賞とみなさないジャンルは応募者数が減る。たとえば、とあるアンケート記入だけで応募できるキャンペーンは、1万人以上が応募した。一方、テーマに合った標語の募集では応募が1,000件未満だったこともある。

川柳でも「お~い、お茶」などメジャーどころの川柳は応募者が殺到する。それに対して「北海道帯広市をテーマに」「ハワイでの思い出を」など、マニアックなテーマは倍率が下がる。また、文字数が増えれば増えるほど応募者が減る。一言より川柳、川柳より物語系に応募しよう。

 

懸賞を当てに行くなら過去の入賞作を見て、審査の傾向を掴んでいくこと。製品に関するエピソードを語らせるものでは、おおむねポジティブ感動系が受ける。

家族とのめぼしい思い出は応募前にストックしておいた方が何かと便利。いきなり感動した話を思い出せと言われても、人はまごついてしまう生き物なので。

フォトコンテスト系は、写真が趣味ならぜひ応募したい。なにしろ新しく撮影しなくて済む可能性が高いからだ。特に「〇〇の思い出」などテーマが絞られているものは倍率が下がる。見聞きした話では、賞金〇〇万円単位でも応募者が3ケタまで落ちることもあるそうだ。

 

4 露出が少ないもの 

テレビや雑誌で拡散しているものは、誰もが見るので当たりにくい。露出が増えれば、応募が増える。大手懸賞サイトに載っているものも、応募者が多いのでやめたほうがいい。楽天の宿泊券シリーズも、応募者がめためたに多い。よほど辺鄙な場所で、グレードの低い宿でないと当たらないと思った方がいい。私は辺鄙な場所に応募するのが好きだから楽しんでいた。(けど、やっぱり当たらなかった)

 

大手メーカーは告知媒体を多数持っている可能性が高いので倍率も上がる。たとえば、飲食品はTVCM、店頭ツール、Webサイト、SNS、雑誌に告知を出せる。ここまでやられたら、応募は1万を超えるだろう。(クローズド懸賞を除く)

 

逆におすすめなのはすでに使っているサービスの愛用者だけに届く懸賞の告知。たとえばはてなブログで「〇〇をテーマにブログを書いてくれたら……」といったもの。応募者が少ないので当たりやすい。いろいろなサービスの会員にだけなっておくのも悪くない。人生、ささいなところにチャンスがあるものだ。

 

多くの人が知っていて、なおかつ応募者数が少ないのは健康保険に加入していると会社で配られる冊子についてくる懸賞。図書カードなどももらえるが、あれは応募者が少なそうだ。みんな微に入り細に入りは読まないしね。

ただし、マイナーサービスだからといって会社所在地もあやういようなサービスに応募しないこと。変なところに個人情報売られるかもしれないので。

 

5 地域性・ライフタイムがあるもの

高知県民だけ応募できる」など、募集要項に地域性があると応募者は減る。また、「オムツ1年分」「結婚式場の利用券」など人生のあるタイミングでしか応募できないものはたとえ景品が豪華でも人数が減る。

 

まとめ

すべてをまとめると、「マニアックな景品で、応募が面倒で、特技がないと応募しづらくて、あまり告知されておらず、人生のある時期にしか必要ないもの」は当たりやすい。当たり前だけれども、なぜかどこにも書かれていなかった。

 

というわけで、最後に応募者数が限界まで減りそうな=当選確率の高い懸賞を用意したので、応募したい人はどうぞ。(想像するに、応募者は20人を切ると思う)

 

書籍『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』を筆者サイン付きで3名にプレゼント。そもそも、ここまでブログを読んでいないと募集にすら気づけない。猛者だけが応募できる仕組みだ。10月末日23:59までにトイアンナのTwitterをフォローしたうえでDMで「懸賞のブログを見ました、本が欲しいです」と「恋愛の悩み」を添えて連絡してください。本を送ります。

恋愛の悩みを添えてもらうのは応募者数を減らしたいからで、特に抽選には影響しません。当選者にはDMで連絡します。個人情報は恋愛遍歴も含め一切他に利用しません。

 

懸賞にほぼ影響がない迷信たち

逆に、このあたりはほぼ迷信といって差し支えない。

・熱意のあるラブレター

・ハガキのイラスト

・会社のサービスに媚びるコメント

・記念切手での応募

・早めの応募

・デコったハガキ

・神社で祈祷してもらったハガキ

 

特に大手の懸賞ではこれらの行動で当選確率は上がらない。ハガキ応募なら読みやすい文字を書いてほしいだけだ。読めないと失格扱いになりうるから。あと、切手代を間違えないでほしい。(消費税変更で値上げあり)当選確率を揺るがすのはそれだけだ。

 

最後に、ネット応募される方へ。みなさん、ものすごく住所や氏名、電話番号を間違えている。慌てないで。大量に応募しているから間違えるのは分かるが、携帯電話番号とか、自動入力に頼りすぎたせいで080-080-0808とかになることが多い。こういうのは書類不備で落ちる。

 

マーケター向け:懸賞キャンペーンの改善案

最後に、施策を実施する側へ向けた真面目な話もして終わる。

 

ブランドイメージが残る懸賞キャンペーンをしたいなら、動画を視聴してもらうべし。懸賞応募者は他の懸賞も応募している可能性が高い。すなわちブランドの記憶が残りづらい。そこで動画を視聴した方のみへ応募できる仕組みにすれば、ブランド名が残りやすい。CMの使いまわしでも構わないが、できればオリジナル動画が望ましい。

 

懸賞に紐づいたアンケートほど、意味のないものもない。懸賞でブランドの好感度調査などをしたくても、応募者は媚びてきてしまう。買いたくもないものを「ぜひ欲しいと前から思っていた」などと答えてしまうので、あまり調査の意味がない。アンケート調査を実施するなら、ニュートラルな場面での調査が望ましい。ぶっちゃけ、Twitterの投票機能の方がまだ精度が高い。

 

有名人のグッズよりも肉が圧勝。以前、世界的な有名人のグッズを景品にしたことがある。テレビ、店頭、すべてで告知しても応募者が泣ける数だった。人に紐づいた募集はどうしても応募が減る。応募者を増やしたいなら、現ナマか和牛5kgに限る。個人的にはこだわりのあるプレゼント、大好きなんですけどね……。実は私の自宅には、応募者がまさかのゼロだったために持ち帰ったある有名人のサインがあります。切ない。

 

賞金の額で応募者数は大きく変わらない。Amazonギフト券1,000円プレゼントと、10万円プレゼントの応募者数はあまり変わらない。高額になると当たる人数が減るから期待値が下がってしまうんだと思われる。その点、100名に100万円を配った元ZOZOの前澤さんはすさまじい。企業にもそんな予算はない。

100万円を1名にプレゼントするより、1000円を多数へばらまいたほうが予算を削減しつつ応募者を確保できてよい。応募する側の視点では全く夢がないけれど……。マーケターとしてはシビアに提案せざるを得ない。

 

では、よい懸賞ライフを。

 

 最近人気の記事たち:よければ読んでください 

success-job.jp

career.joi.media

 

これは文中に出てくる(笑)本です。ここからクリックしても応募にはならないので注意してください。

 

2019年のGoogleのアルゴリズム更新でオウンドメディアとライターに起きていること

2019年、Googleは検索アルゴリズムの大型アップデートを行った。

私はSEOの専門家ではないが、ライターはメディアから依頼されて原稿を書くから、自然とメディアの増減や依頼内容の変化で風向きを感じられる。

 

まず、今年は誰もが知る大型オウンドメディアの閉鎖が相次いだ。

 

*輝いていたかつてのオウンドメディアたち*

ぐるなび みんなのごはん

Rettyグルメニュース

睡眠課題・不眠の原因や改善方法を知る情報サイト | フミナーズ

アリシー | 自分をスキになるって、意外とカンタン。

CAMPANELLA [カンパネラ]

 

この中の複数メディアで執筆させていただいた経歴もあり、つまり私の力不足も相まってこれらのメディアは更新停止・閉鎖を選んでしまった。愛したサイトが閉鎖するのは切ない。申し訳ない。本当に。

 

ところが、オウンドメディアはオワコンなのか? というと、全然そんな気配はない。キリンビールnoteでオウンドメディアを始めたり、リクナビが内定辞退率を情報漏洩したショックで学生の4割が「使用を抑える」と大手ポータルサイト離れを起こしたため、各企業で採用ページのメディア化が促進されたりと、オウンドメディアはむしろ芽吹いている。

 

だが、オウンドメディアはGoogleによって大きく変わろうとしている。具体的には、量より質を担保する設計に変わろうとしているのだ。

 

Googleがぶち込んだE-A-Tのインパク

 Googleの大型アップデートでも最も重要なのがE-A-Tだろう。E-A-Tとは「Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)」の略を指す。つまり、専門的で、権威があって、信頼できるサイトは検索順位の上位に来る。そして逆に、雑多なことを書きすぎて何メディアかわからず、業界で権威がなさそうで、信頼性の低いサイトは検索順位が下がる。

 

これまで、オウンドメディアは文字単価0.1円の安いライターに記事を大量生産させ、あとは権威のあるサイト(自社のコーポレートサイトや、Wikipediaなど)からリンクをばしばし貼ればよい、という雑多なつくりをしたものも多かった。

ところがこれからは、どれほど専門性の高いデータを参照してコメントしているか、特定分野にこだわったサイトか、執筆者がSNSや社会でどういう評価をされているかが重要視される。ライターのSNSアカウントはもちろん、学歴まで分析対象となっている可能性があるという。

結果ライターに何が起きるかというと、単価が安い何でも屋的なライターが採用されにくくなった。そして「旅行」「サウナ」など専門分野を持っていて、SNSでフォロワーがいて、しかも炎上ではない純粋なファンが多い人が書いたほうがE-A-Tの観点から検索で圧倒的に有利となったのだ。

 

これを知った瞬間に思った。

ヨッピーさん過労死すんじゃね?

twitter.com

 

余計なお世話だった。もう少し一般化しよう。ライターには以下2つの変化が起きている。

 

1.信頼性がありそうなライターに案件が殺到

これまで、ライターの信頼性とは「連絡がつくこと、締切を守ること」などが中心だった。しかしこれからは、Googleに弾かれないような専門性、権威性、信頼性のある振る舞いが求められるかもしれない。

 

まず、ライターの中でも専門分野を明記する人は少ない。依頼があれば何でもやります、というライターが多いだろう。

しかし、SNSであれnoteであれ、同じテーマで発信したり、似たメディアに多数書いている専門性の高いライターがこれからは検索流入の意味からも、そしてライターにつくファンを惹きつけるコンテンツを書け、結果的に売れるからこそ重宝されていく。

 

また、これまで賛否両論を超えた「炎上上等」でやってきたライターはしんどいかもしれない。フォロワーの数ではなく専門性や信頼性で判定されるなら、批判ばかりが目立つライターは不利になりうるからだ。

 

特に巷の情報商材では「最初にフォロワーをつけるためには、SNSの有名人に極論で喧嘩をふっかけて反論させろ」というテクニックが喧伝されていた。端的に言ってカスだが、その手法は信頼性を損ねるため、ライターを目指すなら望ましくないだろう。

 

2.順位の落ちたオウンドメディアの大掃除が始まった

そしてこれまでオウンドメディアで文字数が少なく、大量の記事で検索キーワードを埋めてきた媒体は順位をどんどん落としている。

 

また、資金力のないメディアも瀕死だ。専門性の高いライターは単価も高い。今まで1本1,500円で書いてもらえた記事が何万円、時には10万円を超える。専門性のしっかりある記事は文字数も増える傾向にあるのでますますお高い。

 

メディアを復活させるためには、これまで作った薄い記事を削除して、信頼できるライターを探し、高い単価でメディアを再建せねばならない……結構なコストである。

そこで悲鳴を上げたメディアが何をするか。まずは、これまで外注ライターを手配してくれていた広告代理店に泣きつく。しかし広告代理店の内部には専門性の高いライターがいない。また、これまで薄い記事を大量受注してきたタイプの代理店は、メディアの専門性を高める方法もよくわからない。

 

そうなると、専門性の高いライターを探して「企画から執筆まで全部やってください!!」と丸投げメディア大掃除案件がそのまま降りてくる。ライターは信頼性の高い同業者に詳しいし、最悪原稿を自分で書けてしまうからだ。

 

Googleの余波でライターが過労死する珍現象に

……そんなこんなで、私は今、2つのオウンドメディアを担当している。具体的には信頼性を損ないかねない過去記事のお掃除、ターゲット読者の選定、響くテーマの調査、必要な記事のリストアップ、信頼できるライターの手配、締切までの管理。マーケターとしてやってきたことの繰り返しだから楽しい。

 

周りの信頼できるライターもそんな感じで、多かれ少なかれメディアを任され、ディレクションをしている。ライターという職業とは何だったのか。もはや別の事業である。

 

Googleアルゴリズム変更で、オウンドメディアが瀕死になった。そして改善策として専門性の高いライターがディレクターになって、参加している。ところがディレクションをしているライターは執筆もするから過労死寸前。風が吹けば桶屋が儲かる的な流れで、特定業界に詳しいライターはなぜかディレクターになりつつあるのだった。

 

 

バリキャリは夢を捨てよ:この世にパワーカップルなんて存在しない、マジで。

パワーカップルという、はかない夢を見ていた。

 

パワーカップルとは、夫・妻ともに年収が高い共働きカップルのことだ。従来、日本では世帯所得が高いグループを調べると「男性が稼ぎ頭、女性が専業主婦」のパターンが多かった。

 

 家族を養うのだから、世帯年収が高い男性と専業主婦のカップルが多いのは不思議ではない。ただし、2019年までに 共働き世帯の数は専業主婦世帯の2倍になった

社会保険料や消費税の増加で実質所得は下がり、額面上の年収が高くても専業主婦を養う馬力がある男性は減っているからだ。したがって専業主婦志望の女性にとって、結婚の難易度はどんどん上がっている。

 

パワーカップルを求めるバリキャリは希望を抱いた

 

共働き歓迎のバリキャリにとっては、これが朗報だった。結婚しても、子どもが生まれても仕事は続けたい。むしろ、仕事を優先したいから子どもはいてもいなくてもいい。といっても、自分たちは野心溢れるハイパーウーマンではない。出世を強く願うのではないが、マミートラックにはまって年収が落ちたり、ワクワクする前線で働けなくなるのが嫌なだけだ。

 

はたから見るとバリキャリかもしれないが、本人の意識では「ゆるキャリ」である。仕事でやりがいを感じたいが、出世第一ではない。結婚もしたいけれど、不当に減俸されるのは嫌。

いい企業に就職していたら、30歳で年収1,000万くらい貰える。このままいけば40代で2,000万くらいは狙えるのに、出産を機に辞めたら600万まで落ちるだろう。いくら何でも年収1/3って、バカみたい。男女逆転したら「そらそうだ」と思う男性も多いんじゃないだろうか。

 

そんなタイプにとって、同じくらいの年収でともに歩んでくれるパートナーは心強い。年収1,000〜1,500万を超えてくると、安定よりも成果主義の仕事が増えてくる。正社員でもボーナスの比率が高まり、年収は業績次第だ。そうなれば自分の年収がガクンと落ちたとき、一時的に支えてほしいと願うのは当然だろう。

逆に相手がリストラされても、自分が夫を一時的に支えることもできる。パワーカップルの結婚には、財政上のリスク低減というメリットがある。だからお互いに尊敬できる相手といつか結婚できるはずだ……と、願って生きてきたのだ。

 

「空気を読んで」自立した女性がいいと述べるエウレカ男子

 

そしてこのご時世、バリキャリはモテる。高年収の男性から見たバリキャリは、自分の財産を搾取しない女性に見えるからだ。ルンバも食洗器もある、家事代行サービスも普及してきた。妻は家にという時代でもないし……と、20代後半で結婚していく。

 

そして、男性は結婚して数年後に目覚める。

「俺、本当は家庭的な子に癒されたかった」と。

 

人は自分の育った環境に居心地のよさを感じやすい。親が専業主婦ならば、毎日手作りの夕食があるのは当たり前だ。それが基準になっているから、惣菜を買って食べるとなんとなくわびしい気分になる。そして高年収男性の育った家庭は、同じように高所得で、専業主婦の家庭が多い。だから本来は専業主婦のいる家庭に居心地の良さを感じるのは、当然のことなのだ。

だが、このご時世に「自分を支えてくれる専業主婦との結婚がいい」などといえば、眉をひそめられるのは分かっている。手取り年収も下がっているから、使えるお金の自由が減るのは耐え難い。

そうやって沢山の高年収男性がバリキャリと結婚し、週1でしか洗えない洗濯物や買ってきたお弁当を食べながら「俺が求めていた家庭はこれじゃない」とエウレカギリシャ語:わかった! 目覚めた!)して離婚。再婚相手に癒し系女性を選ぶ姿を、30代になった私は目の前で見ている。

 

さらに私は仕事柄、この手のエウレカ男子からよく相談を受ける。

妻とは離婚して、彼女(不倫相手)と再婚したい。家にくたびれた姿で帰ってきて惣菜を食べるより、ニコニコ自分の話を聞いてくれる彼女と結婚したい。

 

結婚したときは、知的な会話ができる相手が欲しかった。でも仕事の繁忙期にホテルへ泊まりこんで帰ってこない家庭は何か違う。僕は子供が欲しいけど、妻は"昇進の時期と重なるから、産むなら数年後"と譲らない。でも、いま付き合っている彼女はいますぐ産みたいと言ってくれてるし、育児も任せられる。

 

バリキャリだって、同じように癒されたい

 

こういう相談を受けると、私まで串刺しにされる。夫の気持ちもわかる。支えられたいのは自分だって同じだ。家に帰って、温かいご飯があればどれほど幸せだろう。風邪を引いたとき、リンゴを切って食べさせてくれたら涙が出るほどうれしい。けれどそれは対等な夫からは与えられない。なぜなら、彼は自分と同じくらい忙しいからだ。

 

だから、バリキャリは夫から離婚を切り出されても泣いてすがったりできない。相手が癒しを求める気持ちもわかるし、自分が仕事を辞めて「支える妻」になる自信がないからだ。

「わかった」とクールに答えて事務手続きを終え、友達の前で盛大に「離婚しちゃった~」と飲んで笑って、家へ帰ってから茫然とするのだ。ここまで書いてから気づいたけれど、これは完全に2018年の私だった。つらい。

 

ハッキリと「癒し系がいい」と離婚してくれる夫はまだいいほうだ。世間体を気にして離婚できず、男性が癒し系の女性と婚外子を作る末路も見た。バリキャリの妻は浮気を発見しても「ああ、こういう癒し系の人が本当はよかったんだ」と静かに傷つくことしかできない。産まれた子の人生まで変わってしまうのだから、誰も幸せになれない。

 

成功するパワーカップルは女性が降りている

 

では、この世に1%ほど存在するパワーカップルは何者なのか。答えは簡単で、女性が一歩降りているのだ。そもそも、三菱総合研究所によるパワーカップルとは「夫が年収600万以上、妻が年収400万以上のカップル」を指す。

まず、水準が低い、低すぎる。パワーを冠するからには、年収1,000万以上同士、世帯年収2,000万以上の話かと思っていた。日本は大丈夫か。都内で世帯年収1,000万は子を産むか悩むレベルだ。悩める周りの女子も30代前半で年収が1本を超え、管理職になるせいで激務から逃れられない。だから辛いのに。

 

 そして、妻が夫より年収が低い前提なことも衝撃だ。パワーカップルですら対等な年収じゃないのか。妻が200万円ほど年収を下げて「あなたって私より仕事ができて立派ね」といえるパワーカップルは、確かに私の周りでも婚姻を続けている。

 

「夫を立てて、転がすのが本当の賢さだよ」とは腐るほど言われる。確かにそうだろう。だがそれは、冒頭に書いた「不当に下がる年収」そのものではないか。といっても、夫をけなしたいわけではない。ただ、お互いに対等な仕事をして尊敬しあいたい。ただそれだけのことだが、彼らは専業主婦の家庭に育っている。

 

 私たちもそうだ。私たち親世代は、母親が働いていた家庭も "家事・育児ができるなら外で働いてもいいよ" と条件付きでやっと夫の許可が下りるケースが多かった。

だから、なんだかんだ子どもは母親の手作りご飯を食べ、受験に付き添われ、手の込んだ手作り弁当を食べ、風邪の日にはポカリをもらった人が圧倒的に多いはずだ。心に刷り込まれた「普通の家庭像」がそこにあるのだから、パワーカップルは難しい。

 

男女の経済的なパワーバランスを逆転させよう

 

だから、仕事が好きな女性こそ「一歩降りられる男性」を探したほうが幸せを感じやすい。自分を捨てるエウレカ男子が、癒し系の女性を求めるように。我々だって、癒されていい。

自分が繁忙期にホテルへ泊まりこんでも心から「がんばってね、でも体に気を付けてね。ホテルにご飯差し入れしようか?」とケアってくれる人は、経済的に対等な男性にはいない。彼らは、年収600万くらいまでの世界にいる。

 

だから、高年収女子こそワーク・ライフ・バランスを重視する年収200~600万男子を視野に入れよう。相手の年収もあまり気にせずに済むのが、高年収女子の強みなのだから。

キャリアを降りてくれる男性は日本に少ないが、対等を求めて迷路に入り込むよりは簡単だ。

 

さあ、気になる男性がいたら口説きにいこう。そして愛する人を養おう。もしくは、ちょっと考え直そう。自分の人生に伴侶は本当に必要なのだろうか? 親や友達、ポリコレのために結婚しようとしてやしないか? と。

 

そんなことを、企業の最前線で働く友達の嘆きを聞きながら思った。

 

結婚したい女子のための ハンティング・レッスン

結婚したい女子のための ハンティング・レッスン

 

 

 

 

表のデータ元:厚生労働省「国民生活基礎調査」

 

男性にとってのセックスと、女性の結婚が等価値だと分かった「ある実験」

男にとってのセックスと、女にとっての結婚が等価値だとわかった話。

 

サイバードという会社がある。女性向け恋愛ゲームアプリで、累計1,500万会員を抱える覇者だ。

恋愛アプリが成功する秘訣が掲載された本を読み「ためしに恋愛ゲームをプレイしてみよう」と思ったのが1週間前。とりあえず選んだ「イケメン王宮」から、あれよあれよという間に「イケメン大奥」「イケメン戦国」など7アプリをダウンロード。iPhoneのホーム画面には夫の笑顔、そして並ぶイケメンシリーズのアイコン。罪悪感が湧く。

 

しかし話を進めて驚愕した。

なんせ、出てくるイケメン男子が次から次へと結婚を迫ってくるのだ。

「正式に婚約を交わしたいのだが……」

「全てをかけて、あなたを幸せに致しますよ」

「早く2人で暮らしたい」

 現実の男が決して言わないような結婚、同棲、婚約発表のオンパレード。現実世界にこんな男がいたら結婚詐欺師かメンヘラなので、2次元キャラで進められて安心する。

 

ストーリーもすごい。

例えば代表作の「イケメン王宮」のストーリーはこちら。

「アナタがこの国のプリンセスです」

お城を訪れた庶民であるはずのアナタ。しかし、なぜか王国の『プリンセス』に指名されてしまい!? 「プリンセス」の役目は、「この国の王子様を見つける」こと…

 むちゃくちゃである。王族は近親姦が増えすぎて奇形が増えるから外部から血を入れる的な……?(好意的解釈)

 

その他にも京都に旅行中、雷に打たれて戦国時代へタイムスリップしたり、財閥の後継者を選定するハメになったりとトンデモ展開が多い。

そうでもしないとイケメン選び放題なんてストーリーは作れないから仕方ないのだが、最初に「プッ…笑」となる人はいるだろう。私も石油王と居酒屋で唐揚げつつくデートにめぐり合った時、吹いた。

 

そしてふと、この展開のむちゃくちゃさが「あるもの」に似ていると気付いた。

抜きゲーだ。

 

男性向けアダルトゲームには、ざっくり分けて「泣きゲー」と「抜きゲー」がある。前者は感動できる物語を交えつつ、オマケ程度にセックスが添え物になっているゲーム。後者はセックス!セックス!が売りのゲームだ。

そして後者では、女性からセックスを迫るという「現実ではめったにないこと」を正当化するためのむちゃくちゃな設定が多い。

例えば私が好きな抜きゲー『大悪司』のストーリーはこんな感じ。

俺の名は『山本悪司(やまもとあくじ)』。このオオサカ市を管理する地域管理組合わかめ組の幹部だ。女性上位国家ウィミィとの戦争に負けて組に帰ってみれば、組長の愛人がトップになってやがった。

”組織のトップは女がならないといけねぇ”なんて指導方針らしいが、知るかよそんなこと。征服したら女をこまして、オオサカ統一だ!

 

話の筋は……イケメン王宮と同じくらいむちゃくちゃである。ただ面白いのは、男性の場合は「女性が次々とセックスを迫ってくる」というありえない設定を何とか正当化している。

ここで少し、悪ふざけを思いついてしまった。

抜きゲーの「セックス」に当たる部分を全て「結婚」に置き換えたら、女性向け恋愛ゲームができてしまうのではないだろうか?

 

というわけでやってみた。

主人公の聡子は大学4年生。彼女は近所の男性、水森に恋をしていた。

しかしある日、主人公の隣室に蓮沼という男性が引越して来る。
蓮沼は商社勤務、穏やかな性格で家事も手伝う理想を絵に描いたような男性。

彼は聡子の恋愛事情を知ると「あなたが自信をもてないのは恋愛経験が足りないからだ」と言い「俺じゃ、だめかな?」と結婚を迫ってきた。そして水森と蓮沼、2人と結婚を天秤にかけたラブ・ゲームが始まる……!

元ネタ:妻みぐい

 

ちょ、ちょっとキュンってきちゃったんですけど!?!? いやこれはストーリーが穏便すぎて、結婚でなくても汎用性が高すぎたのかもしれない。そこで、少し趣向を変えてみた。

 

冴えない女子学生、翔子は影で「ブス子」と呼ばれ、浮いた存在だった。しかし転機は起きた。課外授業で乗っていた船が嵐に見舞われてしまったのだ。

男子生徒と流れ着いた島。そこには未婚男性だけを蝕むウイルスがあり「結婚しないと、発作で死んでしまう」ことが明らかになる。

「こんなブス女との婚姻を……!? 死んでもごめんだ!」

嫌悪をあらわにしていた男性も、命のタイムリミットを前に従順となり、1人、また1人と主人公の元にやってくる……。

元ネタ:受胎島

 こ、これはこれで……いい…っ!?(鼻血)

 

最後に勇気を出して、ハードコア作品も試してみた。

目を覚ますと、白い密室に閉じ込められていたのは主人公の高遠めぐみ、そして6人のイケメンたち。
「これからゲームを開始します」のアナウンスと共に、命がけの試練が始まる。
この部屋から脱出するためには、めぐみが時には残虐な行為で「婚姻の儀を交わす」必要があるらしい。

「俺でよければ……好きにしていいよ」

緊縛、鞭打ち……強制される婚姻の儀と、明らかになってゆくイケメンたちの隠された過去。めぐみとイケメンを辱め、結婚させたがっている黒幕とは。そして脱出した先には何が待っているのか……!?

元ネタ:euphoria

 

むちゃな話だけど、黒幕が気になってプレイしちゃう。

 

まとめ

ここまで実験してみて、わかったのは以下のことだ。

  • 男性にとって、無茶な設定でもない限り自分からねだらないのが結婚
  • 女性にとって、無茶な設定でもない限り自分からねだらないのがセックス

男性にとっての結婚、女性にとってのセックス。どちらも「いずれすることでも、自分からオファーしたくない」という共通の価値観があると、この実験で分かった。

もし結婚を男性が、セックスを女性が積極的に推して来たらメンヘラか、何か裏の理由があるかもしれない。

なにせそれは、抜きゲーや恋愛ゲームくらい、こっちの都合に合わせたむちゃくちゃな設定に付き合ってくれているのと同じなのだから。美味しい話は、二次元で堪能しておくのが一番よさそうである。

 

なお、今回恋愛アプリゲームについて知るきっかけになった本がこちら。サイバードとは競合に当たるボルテージの事例が掲載されている。

女性の恋愛市場分析、映画監督経験から学ぶプロット構築の秘訣などが学べてあっという間に読んでしまった。

 

 

「胸キュン」で100億円

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お詫びと訂正:はあちゅうさんの妊活にまつわる表現について

はあちゅうさんの妊活および書籍『旦那観察日記:AV男優との新婚生活』に関し、1点私の表記に誤りがあり、謝罪文を掲載いたします。

 

過去に私はTwitterはあちゅうさんについて、下記の通りツイートいたしました。

はあちゅうさんが物を宣伝するとよく売れる。だから仕事が絶えない。近い業種だからよく存じてます。けれど、妊活の本を出して売れたタイミングで「実は妊活について書く前から妊娠していました」は冒涜ではないですか、読者を、妊活する方をなんだと思っているのですか。

 

しかしながら書籍「内」には妊活のコンテンツがなく、はあちゅうさんが妊活の本を出していたという点は誤りでした。

 

そのため、謝罪文を掲載すると共に、はあちゅうさんのご要望を受けツイートを削除させて頂きます。また、下記の通り訂正文を掲載させていただきます。

 

訂正文


はあちゅうさんは、書籍『旦那観察日記: AV男優との新婚生活』に掲載されていた内容の続編と見える、妊活のコンテンツをブログ『旦那観察日記』にて掲載しておりました。従いまして書籍も「妊活の本」と誤解しており、関係各位にご迷惑をおかけいたしました。

 

この書籍が「妊活の本」ではない点に誤りがございましたが、はあちゅうさんは続編とも見えるそのブログにおいて、妊活について継続的に触れています。また、書籍発売時期の前後に雑誌等で妊活についてインタビューを受けるなどして、ご自身の妊活をテーマにお仕事をされていました。

 

akahoshi.net

 

そして、はあちゅうさんは妊活に関し、"実際は妊娠が判明していたにもかかわらず、妊活しているかのような表現"をしていた疑惑があります。

getnews.jp

 

togetter.com

 

これらが仮に事実であれば、リアルタイムではあちゅうさんの妊活を応援していた方や、不妊治療をされている方への冒涜ではないかと感じます。それを踏まえ、ツイートをさせていただきましたこと、ご理解いただけますと幸いです。

 

トイアンナ 拝

 

旦那観察日記?AV男優との新婚生活?

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アラサー7人で老後2,000万円を貯める方法を考えた

5月。新宿某所に、アラサーが7人集まった。

全員1987年生まれという以外は、これといって共通点はない。学歴や仕事もバラバラ、既婚から独身まで。だが彼らには、同じ課題があった。

 

「老後の資金を貯めたいが、何をどうしたらいいか分からん」

 

そこでお互いの知見をぶつけりゃ何とかなるだろうと、7名集まったのである。これは、いい大人が老後2,000万円のために何ができるか真剣に話した議事録である。

 

 

パチだって、スロだって、したいんだもん

ひとまず、みんなが知っている投資を書き出してみた。

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投資の全体図

 

パチスロとか明らかに余計なもの入ってるじゃねーか!!

 

Aさん「だってさ、パチスロも大事だよ?たまに大当たりあるしさ、何よりアドレナリンが出るよ? アドレナリンが出るって人生じゃ大事でしょ?」

 

確かにアドレナリンは大事だ。生きる希望がなくては、老後まで生きながらえても意味がない。リスクとリターンさえ理解できていればいいのだ。

 

Bさん「まてまて。この表はこうなるべき」

と、Bさんがいくつか書き足した。

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投資の全体図2

 

競馬を足すな!!

とは思ったが、私も競馬は統計的にさえ処理すれば堅実に儲かることは実証したことがあるんだよね……。醍醐味が一切感じられないからやめたけど。全然楽しくない投資方法だけど、入れておく分には自由だ。だって、それがアラサーのリアルだから。

それに、パチスロも競馬も、下手すりゃ銀行口座の残高よりマイナスになるFXや先物取引よりはマシだろう。あれ、マシってなんだっけ……?

 

真面目な投資はインデックスで

真面目な話に戻ろう。「貯金よりちょっと上」の堅実な投資なら、eMAXIS先進国株式インデックスが大人気。(同シリーズにeMAXIS Slimもあってそっちも人気)堅実な投資といえば……の代名詞といえば必ず出てくるインデックス投資日経平均などの「指標」と同じ値動きを目指すインデックスファンドへ投資するやり方だ。小額ずつ、まとめて数千単位の株を買うのと同じで、リスクが少ない。

また、長い目で見れば日経平均やダウなどは上がり続ける。と、言われているだけで第三次世界大戦なんかがあったらもうわからない。が、そんときゃ投資も何も日本円の貨幣価値がぶっ飛びそうだから考えるだけ無駄。

 

長期保有ができるなら、忙しい社会人にとって便利だろう。eMAXISシリーズは中でも手数料が安く、7人のうち2人が投資していた。

 

ちなみに私は買っていない。なぜなら私はもっとリスクを取ることでリターンを見込みたいからだ。

 

ミドルリスク・ミドルリターンはREITETF

インデックスのように「複数の銘柄へ少数ずつ投資してリスクは下げたい」と思っているが、もう少しリスクをとってもいい」と考えていたのは私を含めて2名。中でもETFREITに分かれた。

 

ETFインデックス投資に近い投資信託だが、上場しているため株と同じように取引できるのが特徴。REIT(リート)は不動産のインデックス投資みたいなものだ。それぞれのメリット、デメリットは申し訳ないが独自に勉強してくれ。私は究極のめんどくさがりなので勝手に積み立ててETF等へ分散投資してくれるWealthNaviをやっているけれど、手数料を考えたらeMAXIS先進国株式インデックスの方がいい気も。

 

各投資法がどれくらい違うのか知りたければ「金融商品名+シミュレーション」で検索すると同じ額を放り込んだときに、どれくらいの額になるか見せてくれる。

たとえばWealthNaviで月10万円を30年貯めれば、貯蓄なら3,600万円のところを4,000万円くらいになるかなあ……という試算を私は立てている。夫を養う前提なので2人で4,000万。

 

ただ、月10万円貯め続ける人生、おくれるのかなぁ……。こればかりは、どうしようもない。頑張ります。

 

ハイリスクの投資をするくらいなら起業

7人のうち、何らかの起業に携わっていたのは2名。起業はリスクとリターンのグラフに入れると振り切れるくらいのハイリスクにもなりうる。なのになぜ始めたのか?2名とも「どうせハイリスクを取るなら、FXより会社作っちゃった方が楽しいでしょ」というスタンスを持っていた。

情熱なき投資よりビジョンある起業という気持ちはわかる。アドレナリンが出るし。

 

人生でアドレナリンを出す方法は3つある。パチスロか、FXか、起業だ。

 

独身に保険はいらない?

意外と盛り上がりにくかったのはiDECOiDECOは「非課税なのはうれしいがその分老後まで確実に塩漬けという大きなコストを払う」のが不評だった。だったらいざというときに動かせる資金で投資をしたいということだろう。

 

同じく契約してから受取まで期間が空いているものに保険がある。生命保険は「いざ申請してからいちゃもんつけられてハネられない」ことで人気の日系大手保険会社か、プルデンシャル生命に二分された。プルデンシャル生命はかつて定額で一生涯の保障がついた保険があったらしい。うらやましい……。最近の保険は10年単位で契約更新となり負担額が変わってしまうので、早めに入るメリットを感じにくい。

 

ただ、共通していたのは独身に保険は不要、だったらその金を投資に回していざというときの資金にすべし……という考えだった。

確かに30代は体を壊す確率が低いからこそ、保険金も安いのだ。私はフリーランスだから手厚い医療保険に入っているが、会社員なら福利厚生次第で不要という考えもある。

 

相続では遺言より遺留分が優先される

最後に相続の話題。晩婚の親だとそろそろ相続を話す時期となる。親は遺言を残せばなんとかなる……わけではなく、遺留分といって親族はあるていど「最低もらっていい」分が決まっている。たとえば配偶者は1/2、子どももいればそれぞれ1/4ずつは遺留分となり、申し出れば受け取れてしまう。親が子を勘当しようが絶縁宣言しようが、遺留分は渡さねばならない。

 

だから確実に渡したい遺産は、生命保険で受取人指定したほうがいい。ここで既婚者は生命保険を選ぶ理由ができる。

逆に親と仲が悪ければ、死後すぐに遺産相続を放棄しないと借金を背負わされるリスクもある。

 

なお、「遺言はポエムちっくに書くと家族が納得して遺留分を無視しても合意しやすい」というアドバイスを得た。いざ遺留分を超えても渡したい相手ができてしまったら、遺言状にポエムを書いて願いを託そう。親のポエムは想像しただけでしんどいが、いざ死ぬと感傷的に聞けるのかも。

 

なお、親がいくらせっせと遺言状を書いても、いくつか条件を満たさないと法的に意味がないので要注意。書くのは面倒だけれども、書かないよりは楽である……遺族が。つまり、アラサーはいかに親へ遺言状を書かせるか、問われている。

 

 

続きはこんど、泊りがけで話すことになった。それぞれ投資や副業、介護について勉強してから挑む予定。ちょっと、楽しみだ。

 

※この記事は特定の投資方法や金融商品を勧めるものではなく、また購入後の利益を保証するものでもありません。投資には元本を失うリスクがあります。必ずきちんと勉強してから始めて下さい。

また、金融商品を売買する資格を持った方に、きちんと相談してから購入されることをお勧めします。

金融系の商品を調べるとアフィリエイトサイトが多くみられますが、鵜呑みにせずあくまで自学自習の糧として利用されることをお勧めします。

 

 

私が知識ゼロから投資の勉強を始めるために買った本。

 

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版

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これはフリーランスの人におすすめ。年末泣きたくなければ今買っておいたほうがいい。絶対。

 

フェミニストであることに疲れた。

 

最近思う、もうフェミニストやめたいなと。

 

もともと、フェミニストは資格制度でもなんでもない。ざっくり言えば、女性の人権を求めて何らかの言動をする人のこと……くらいに思ってもらって構わない。

 

そして、その中には過激派と穏健派がいる。過激派は「ラディカル・フェミニズム」と呼ばれ、ポルノの弾圧やこれまで自分たちの人権を奪ってきた男性からの復権を訴える。

対して穏健派の「リベラル・フェミニズム」は、弱者男性(KKO=キモくて金のないおっさんという、最も支援の手が届きにくいとされる方を指す界隈の用語)らとも組んで、男性だから稼げ、女性だから家事をやれといった性差別からみんな解放されて楽になろうよ、という立場だ。私はがっつり後者で、リベラルどころか「ゆるふわフェミニスト」くらいの位置づけにいると思う。

 

ゆるふわフェミニストから見た世界

専業主婦になりたい人はなればいいし、共働き志向ならそれもいい。私はむしろ主夫が欲しいタイプだ。だから「男が女を守るべし」「嫁さんに食わせてもらうなんてヒモじゃないか」という言説にはモヤモヤする。家事をやる人間をヒモ呼ばわりしないでくれ…それがたとえ妻でも夫でも、と。

 

さらに、フェミだからって四六時中"男女は同じ"と割り切って生きられるほど私は強くない。人生で何度も自分がパートナーに「男らしく」リードされたいと感じたことがある。そして実際に荷物を持ってもらったことが嬉しかった。

今のパートナーも同じで、普段は私の男女平等意識を楽に感じるらしいが、エスカレーターで下の段に立つとか、重い荷物を持つといった思いやりの面で、ある程度ルールがあると安心するのだという。確かに、それまでお互いエスカレーターで「どうぞどうぞ」とやっているのは面倒だった。

 

人生の中では男社会に染まったこともある。激務に身をやつして、仕事のために家庭を捨てることに焦がれた。

最近は育休を取得して転換を命じられた方が揉めたが、かつての名誉男性らしい自意識に染まった私なら、それを当然と思ったかもしれない。そこから体を壊す先輩を見て「やっぱりみんな楽に暮らせる方がいいや」と思い直して今の私がいる。

 

こんな風に、私のフェミニズムはブレブレで変則的だ。私はフェミニストかもしれないが、フェミニズムのために生きているわけではない。価値観が変わっても、身近な人とお互い納得していればいいじゃないか。

パートナーが変われば相手の希望する「男女観」も変わるし、そこでお互いが許容できる範囲なら、それも多様性ってことで。と、ゆるふわフェミニストは思っていた。

 

それでもフェミニストを名乗っていたのは、「相互がOKならええんちゃうの」を超えてマスメディアで"男たるもの/女たるものかくあるべし"と発信されるのにはうんざりしていたからだ。そんなのは当事者が決めることだ。マスメディアで大量に「男に愛される3つのテク」なんてものばかりが報道されたら、世間のプレッシャーが増すじゃないの。

 

私は恋愛ライターなので、「愛されテクについて書いてくれ」と依頼をいただくこともある。そういうときは結論に「確かにこれら3つのテクを使えばモテるけど、それで幸せなの?それでいいの?」とサブリミナルのように疑問を呈してきた。

 

だが、ゆるふわフェミニストは、生きづらいのだ。

 

沸き起こるフェミ vs アンチフェミ抗争

最近、ネットでフェミニストが目立ち始めた。かつての #metoo は私も革命だ! と喜んだ。発信者の属性でバッシングされたりもしたが、過去の性被害を訴える権利は誰にでもある。そのともしびが消えなければよいと思っていた。

 

しかしいつからか、ネットの過激なフェミニスト vs 反フェミニストの争いが始まった。「フェミニズム側だし……」と発信者の発言を見ても、正直うーんと言わざるを得ないものが目につく。

 

男を休日ゴロゴロさせるような妻は女の皮を被りながら男尊女卑に加担する"名誉男性"だ、女の業績を批判する人間は女でも名誉男性だ、などなど。いやあ、それただのミサンドリー(男性嫌悪)ですやん……。

 

中には過去、性犯罪の被害にあった経験を語るフェミニストもいた。そういう過去があったから、傷つくのもわかる。同じ属性の人間を恨みたくなるのもわかる。けれど、過去の傷つきは、未来の誰かを傷つける権利にはならない。当人たちはまだ傷つきから癒されていないだろうから、いま言っても焼け石に水だろう。だが彼ら・彼女らに必要なのは医療であり、フェミニストの剣ではない。

 

 

そして、彼女たちの発言は目立つ。過激だからだ。ISILがイスラム教徒全体のイメージを損ねたように、過激なフェミニストのせいで「ゆるふわ」なんて言ってられなくなった。「これだからクソフェミは」とこっちまで反対派の火の粉が降ってくるからだ。

 

だから、もうフェミニストやめたいと思っている。私がフェミニストをやっていたのは、崇高な理想のためではなく自分が稼いで夫を食わせても、夫をヒモと呼ばせないためだ。自分をかわいそうな女と思われないためだ。私は私の利益のためにフェミニストになり、そして利益のために辞めようと思う。フェミニストのラベルを私の思想から外して、ゆるいリベラルになりたい。

 

ただ心残りなのは「妊娠したから昇進はあきらめろ」と言われた友人たちのことだ。彼女らのような人がまだまだたくさんいるなら、これからも女性は意図せず会社から独立し、フリーランス等で生計を立てねば年収を維持できないだろう。

同様に育休を取った男性、発達障害に悩む方などもこれまで社会から見えずドロップアウトさせられてきた。だから細々と、彼ら・彼女らのキャリア支援ができればうれしい。それがゆるふわフェミニストとして、かすかに残った情熱だろうか。

 

元来女性は太陽だった。この世に男と女、トランスその他と沢山の太陽があったっていいじゃない。そんなゆるい世界で、私は生きていきたい。

 

 

 フェミニスト関連で読んだよかった本たち。どれも差別と戦ってるけど光が見えて勇気が出る。

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

  

フェミニスト・ファイト・クラブ 「職場の女性差別」サバイバルマニュアル

フェミニスト・ファイト・クラブ 「職場の女性差別」サバイバルマニュアル

 

 

バッド・フェミニスト

バッド・フェミニスト

 

 

 

セクハラで女性が加害者になる日

先日、男性の5人に1人が「就活セクハラ」を受けていることが明らかになった。

セクハラはこれまで「男性が女性に行うもの」という印象が広まっていたため、この数字に驚かされた方も多いだろう。

 

news.yahoo.co.jp

 

しかし、男性自身も「これはセクハラだ」という認識が薄いまま、これまでもセクハラは横行してきた。代表的には、こんな例が挙がる。

 

・風俗通いの強制

「さあ3軒目は風俗いくぞぉ~! あ、お前帰るの? そこは空気読めよ」

 

・ゲイとして辱める

「あいつさあ、なんかなよなよしてるし、実はゲイなんじゃない?」

 

・童貞いじり

「〇〇君って、彼女いるの? あ、ずっといないの? マジか、てことは童貞?」

 

・顔をけなす

「〇〇君はいいよね、イケメンだからさあ……人生楽してきたんでしょ」

 

・性的関係の強要

「やだ、どうしても帰るならキスして帰って。じゃなきゃタクシーおろさない」

 

これらはいずれも、私が男性から相談されたことのある被害だ。そして、「風俗通いの強制」を除くと加害者は男女のいずれもいた。女性も昔から、セクハラの加害者だったのだ。

 

見えてこなかった女性のセクハラ加害

ではなぜ、女性のセクハラ加害がハイライトされてこなかったのか。それはセクハラが「権力がある側からない側に行われがち」だからである。女性の管理職比率は2017年で11.5%。しかもこの数字には部下なしの名ばかり管理職も含まれる。権力の場に立たされないからこそ、加害者になることも少なかったのである。

 

さらに、男性の被害は矮小化されやすい。そもそもなぜ私が男性の性被害の相談をうかがうかというと、「男性同士で相談するとバカにされやすい」という背景があるからだ。実際に相談してくれた男性はこう言った。

 

―上司からずっとセクハラを受けてるって、仲のいい先輩に相談したんですよ。そしたら先輩に「マジ? お前ラッキーじゃん? 今彼女いないんだろ? その上司と付き合っちまえよ」と言われてしまって。あの時は会社へ行くだけで吐き気がするようになって、全然眠れなかったんですよ。その状況で茶化されたのがすっげえショックでした。

 

この男性は1年悩んだが、女性上司から体の関係を求め続けられることに嫌気がさして退職した。社内では誰にも相談できなかったという。

 

自分でも身構えてしまってましたね。「男がそんなことを言うなんて恥ずかしい」って。上司にチクったのがバレたらどうしよう、とも思いました。泣き上戸な人なんで、たぶん社内で泣いちゃったりするだろうなと。そしたら悪者になるのは絶対に俺だなって。

 

―その人は仕事もめちゃくちゃできて、担当した部門の成績が3年連続で二ケタ成長してたんです。そんなときにセクハラでその上司をチームから外しちゃったら、売上絶対下がるし、なんてことしてくれたんだ、ってムードになるのも分かってましたし……。

 

セクハラの加害者はえてしてビジネス上は有能である。だからこそ被害側は告発すると「セクハラごときで重要なポジションの人間を外しやがって」と他の同僚に思われないか……と不安を抱いてしまう。

就活セクハラでも考えることは同じだろう。「たかが学生ごときの自分が、社員さんを、ひいては会社を傷つけることを言っていいわけがない。後輩の採用にも迷惑がかかる」と被害者は思い、泣き寝入りする。

 

女性からの加害だった場合、被害男性は上記に加えて「女に被害に遭わされるなんて恥ずかしい」「痴情のもつれをセクハラと言い換えただけではないか」「据え膳食わぬは男の恥」といった、男らしさのイメージに振り回され、泣き寝入りを選びやすい。だからこれまで、女性の加害は可視化されなかった。

 

女性にも希薄な加害者意識

また、女性当事者にも加害者意識は少ない。これまで「セクハラは女性が受けるもの」と教え込まれてきたからだ。そして、ここで謝罪したい。私もかつて童貞を揶揄する文章を書いてしまったことがある。

 

「童貞が自分が童貞であることをネタにしているのだから、童貞はいじっていいネタなのだ」と思い切り勘違いしていたのだ。しかし「女性が自分がいい年して処女なのをネタにしているから、他人がその女性の処女ネタをいじっていい」わけではないのと同様に、童貞いじりをしていいわけではなかった。私が間違っていた。

 

それから心の中で反省するだけでなく、具体的にできることを考えた。職業がライターなのだから、書くべきだろう。そう考えて「童貞をいじるのはセクハラ」「童貞が同性異性問わず、誰かからいじられる社会をやめていこう」という文章を書いている。

 

これまでの過ちは、私が不勉強だっただけで言い訳の余地はない。だが、これから政府の方針通り女性管理職が30%まで増やすなら、女性がセクハラの加害者になることも増えるだろう。セクハラは性差で起きるものではなく、権力を握った人間の一部が超えちゃいけないラインを見誤って起こすものだからだ。

 

性差を超えた「セクハラ教育」の普及が必要

男性が保健体育の生理の授業では他の講義を受けさせられたように、女性はこれまで「セクハラ」の授業から遠ざけられてきた。女性は被害にあったシチュエーションだけの対応を知らされ、「危害を加えない」方法は教わってこなかった。

 

だからこそ、これからがチャンスなのだ。男女ともに、被害にあったら声を上げていい。それが有能な人でもだ。社内で有能だからこそ、「セクハラをしても許されるだろう」とそいつは考えている。訴えていい。その結果セクハラをしない・有能な社員に変わるチャンスはいくらでもあるのだから。

 

そして、「自分が加害者にも、被害者にもなるかもしれない」という意識が男女ともに広まれば、世の中はもっと楽になるだろう。男性が痴漢に遭うこともあるし、女性が男性をレイプすることもある。男女問わず「こんなことがあって、つらかった」という相談が「つらかったね」と受け止めてもらえる社会まで、あと少しだ。

 

※このブログを書いたのは2019年5月30日の夜なので、続報があってニュース記事の中身がひっくり返っていたら申し訳ございません

 

すごく久しぶりにブログを書いたので、こんな人間ですよって自己紹介代わりに書籍貼っておきます。

就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定

就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定