トイアンナのぐだぐだ

まじめにふまじめ

ジョジョの奇妙な冒険 ヴェネチア聖地巡礼の旅(2部・5部・岸部露伴は動かない)

「イギリスへ行くまえに、これ読んでください」と友人が貸してくれたジョジョの奇妙な冒険。あっという間に6部まで全巻読破してしまいました。

さて11月、グルメ仲間数名と北イタリアを横断しつつレストランを巡る旅をしました。今回はその旅程にヴェネチアがあったのでジョジョの聖地じゃん」とせっかくだから巡礼してみたレポです。見出しに巻数を記載しますので、コミックスを開きつつどうぞ。ただしネタバレ注意。

 

※これ以降、引用文献の出典はすべて『ジョジョの奇妙な冒険』から

波紋教師リサリサ(8巻)

ジョジョとイタリアといえば、真っ先に5部「黄金の風」が思い浮かぶはず。ですが実は2部「戦闘潮流」がヴェネチア初シーン。ジョセフ・ジョースターが師匠となるリサリサへ会いにきます。

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ジョセフ:ぬあんだァ~~~~~!このヴェネチアって所は観光都市じゃねえのか?

修行するっていうから おれは てっきり 山奥かどこかに こもるのかと思いきや…こんなところに波紋の「師匠」なんかいるのか――ッ

 

ゴンドラを頼み、リサリサのところへ向かうジョジョ一行。市内はゴンドラ以外にヴァポレットという水上バスがあり、普通の人はこっちを使います。ゴンドラは観光で風情を味わいたい方向けに出ており、40分で80ユーロとかなり高いからです。さすが金持ち、移動手段がセレブだった。

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ジョジョがセレブなゴンドラを選ばなかったら、船頭に扮していたリサリサにも出会えなかったので予定調和。

 リサリサ:波紋で水をはじき 水面に立つことぐらいは できるのか…………

 なお、この後ジョセフが修行した「エア・サプレーナ島」は聖地巡礼した先人によると実在しないようです。

 

せっかくだからジョセフ初登場のリアルト橋に登ります。

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オシャンな外側と比べて、中はショッピングモールのようになっておりかなり騒がしいです。一部工事中。

 

さて、リアルト橋が有名なのは橋の上から見える景色。

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絵画のように美しいです。これが撮影できる場は激混み。スリもいるようなので、撮影する際はチームで交代制にして互いのカバンを見張るべし。

 

リサリサ様へ絡むスリの男(8巻)

同じ8巻で、リサリサがカフェにいると男がナンパを装いエイジャの赤石をかすめ取ろうとします。その舞台となったサンマルコ広場がこちら。ジョセフが絡んできたスリにからしをてんこ盛りにしていました。

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一見何でもない広場かのようですが、

 

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めちゃくちゃデカいです。

 

リサリサ:気が付いたようね…そう……これが「エイジャの赤石」!!

 

こちらが聖堂の拡大図。ディテールまで極端に美しい。中世に生まれてこんなの見たら、そりゃキリストを信じますわ。

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この広場は昼間になるとハトと観光客でごった返してまともに撮影できないので、朝7時ごろに撮影するのがおススメ。というのも、空いているこの広場からはとんでもないものが見えるからです。

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この広場から海方面へ一直線に見えるのは……ジョジョ5部でブチャラティがボスと戦ったサン・ジョルジョ・マジョーレ教会!

2部と5部の舞台は、かなり近いことがわかります。徒歩と水上バスを含めて20分くらいの距離。ここでは、実際に対岸から360°回転して映像を撮影してみました。

 


ジョジョ5部 ブチャラティ vs ボスの島

 

この日は曇っていたので、5部の撮影はまた後日に回しました。

 

ギアッチョ with ホワイト・アルバムとの決戦(55巻)

話は5部へ移り、ジョルノ・ジョバァーナの世代へ。ジョルノはギャング組織で成り上がるため、幹部ブチャラティと共にボスの娘・トリッシュを守ることに。ところがヴェネチアへ向かう路上で暗殺組織に襲われます。 

 

ここでヴェネツィアジョジョ目的で訪れるなら、外せない台詞がこちら。

ギアッチョ:フランスの「パリ」ってよォ……英語では「パリス(PARIS)」っていうんだが、みんなはフランス語どおり「パリ」って発音して呼ぶ。

でも「ヴェネツィア」はみんな「ベニス」って英語で呼ぶんだよォ~~~。「ベニスの商人」とか「ベニスに死す」とかよォーー。なんで「ヴェネツィアに死す」ってタイトルじゃあねえーんだよォオオォオオオーーッ。

 というわけで、ありとあらゆるジョジョ聖地巡礼ブログは「ヴェネツィア」で統一されています。愛を感じる。

 

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 ギアッチョ戦の場所を訪れるためには空港から楽な水上バスでの移動を選ばず、わざわざバスで不便な乗り継ぎをする必要があります。よほどジョジョ好きでない限り、このルートを選ぶことはオススメしません。撮影してみましたが、ご覧の通りただの道路です。

 

この後ライオン像を破壊してDISCをゲットするシーンですが、全く同じライオン像は実在しないとのこと。しかし翼の生えたライオンはヴェネツィア守護聖人である聖マルコの象徴なため、そこかしこで見ることができます。

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たとえばサン・マルコ広場付近にあるこの像とか。

 

ブチャラティ vs ボス戦(56巻)

ブチャラティがボスの真意を知ってしまい、戦いの決断を下すサン・ジョルジョ・マジョーレ教会。今回の旅のハイライトです!

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上陸だー!!!

 

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正面から確認しただけでは「ボス、どっからブチャラティが来るって見えてたんだ?」と疑問に思いますが、裏側に尖塔があってそこから360°展望できることを確認。尖塔へは教会内部からしか行けないようなので早速足を進めます。

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こちらが教会内部。ブチャラティの戦闘を思い出すと、胸が締め付けられます。ほの暗い屋内は、思いのほか人がいません。ジョジョファン以外はわざわざこの教会のために訪れないのでしょうか。

 

ふと、前方に光る物体を見つけました。

 

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手のオブジェです。こちら、アート作品で2016年末までかざる予定とのことです。ジョジョ読者には傷ついたトリッシュの手にしか見えない……。

 

ナランチャトリッシュは……信じる人に見捨てられた………オレも昔……(中略)ブチャラティィィィィィィィィィ 行くよッ! オレも行くッ! 行くんだよォ---ッ!

 

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こちらは教会の奥にある、ブチャラティスティッキィ・フィンガーズで辛くも逃げ延びたと思われる部屋。

 

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偶然あったこの像は、悲劇を嘆いているようにすら見えます。マンガでは地下から1階へ移動したけれど、本物の教会には地下階がないか非公開です。

 

このあと、さらに建物奥の尖塔をエレベーターで昇ります。

ボスが見ていた景色、それは

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黄金の風……!

 

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確かに感じる、黄金の風。「逆光は勝利」って鳥坂先輩がおっしゃるだけありました。(※別の漫画ネタです)サン・ジョルジョ・マジョーレ教会へはぜひ日暮れの1時間前にお越しください。May the Golden Wind be with You.

 

ところで、この旅でとんでもないことに気付きました。ヴェネツィアの海は花京院を思い起こさせるエメラルド色をしています。ジョジョのカラー版を読み返すと、この色が完璧に再現されているのです。

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こちらがさまざまな海とジョジョのカラー版を比較した画像。カラー版は荒木飛呂彦先生が塗っていないにもかかわらずこの再現度。驚愕です。もちろん時刻や天気で海の色は変わりますが、ここはロマンで押し通させてくれ。

 

岸部露伴は動かない(番外編)

さて、ジョジョ本編以外で最後に訪れたいのが、「岸部露伴は動かない」に登場した懺悔室。こちらの舞台となった「サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会」です。

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作中で岸部露伴が『禁止なのに教会で写真撮りました』って告白でもしようと考えているとおり内部が撮影できません。が、みなさんガン無視で撮影していました

 

内部で気になったのが、懺悔室の構造。実際の漫画と全然違う形をしています。そもそも「岸部露伴は動かない」の懺悔室だと、格子が大きすぎて懺悔してる人の顔が見えちゃうじゃないのとか、思い返せばツッコミどころがあります。あれは荒木先生のオリジナルだったわけですね。

懺悔室の周りは教会に貢献した人のお墓が壁や地面に埋め込まれており、確かにいつ亡霊が出てもおかしくなさそうな雰囲気でした。

 

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こちらが教会の向かい側。いちいち街並みが絶景になるのがヴェネツィアの怖いところです。

 

これから旅行される方へ

ここまで、ヴェネツィアジョジョの奇妙な冒険聖地巡礼の旅でした。ここからは実際に旅行される方向けの情報です。

 

まずヴェネツィアの宿は全体的に高いです。聖地巡礼のロケーションから考えるとベストなのはホテル・ダニエリ(リンク先音量注意)ですがあまりに高いのでジョースター一族と同じくらい裕福な方向け。

ヴェネツィア本島でもサンタ・ルチア駅付近なら安く抑えられます。上述のレアルト橋付近も安いのですが、ちょっと小道に入ると立ちションが多く、清潔さの観点から個人的にはオススメできません。

そしてイタリア全般のホテルに言えますが、なぜか歯ブラシがありません。高級ホテルへ泊まられる方も歯ブラシと歯磨き粉だけはお忘れなきよう。

 

交通手段はヴァポレットと呼ばれる水上バス(船)がかなりの頻度で走っているためまず困りません。〇〇時間有効券を買えばSuicaと同じくタッチ&ゴーですが、かなり費用がお高いです。観光地なので堪えてください。30歳未満は割引があるそうです。

 

ヴェネツィアの食事ですが、観光地の宿命かイタリアにしては珍しくマズめです。現地人に話しかけて教えてもらったイチオシレストランでも、ちょっと微妙な感じ。もしグルメ旅行を期待されるのであれば近隣都市・ボローニャへどうぞ。ボロネーゼパスタや、モルタデッラという大きいソーセージが大変美味しいです。

 

とはいえジョジョ読者なら、作中で勧められたイカスミパスタは食べたいはず……。一番信頼できそうな無料の情報ソースはGoogle mapの口コミです。そこで評価がいいところへどうぞ。私はOsteria Oliva Neraへ行きましたが、ここのイカスミも悪くなかったです。

また、朝7時からサン・マルコ広場を撮影するには相当早めに朝食をとる必要があります。唯一近辺で開いていたのがAl Verde Coffee and Barカプチーノとクロワッサンで3ユーロと大変お得ですが、愛想は悪いです。人件費の分しかスマイルはもらえないので、そこは仕方ない。ちなみにイカスミはイタリア語で sepia(セピア)です。ってことはセピア色の風景って、イカスミ色だったんかーい!

 

イカスミのスパゲッティは Spaghetti al nero di seppiaで通じます。スパゲッティ・アル・ネッロ・ディ・セッピア。

 

もっとグルメに気合を入れたい方へは、イタリア発のレビュー本『ガンベロ・ロッソ』の購入をおすすめします(イタリア語ですので、Google翻訳でカメラかざしながらどうぞ)

Ristoranti d'Italia 2016

Ristoranti d'Italia 2016

 

 

それでは、ジョジョの奇妙な冒険聖地巡礼ヴェネツィアのレポを終わります。アリーヴェデルチ

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 (1) (ジャンプ・コミックス)

ジョジョの奇妙な冒険 (1) (ジャンプ・コミックス)

 

 

岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)

岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)