トイアンナのぐだぐだ

まじめにふまじめ

パパ活を続けていた女子の人生が5年間でぶっ壊れるまで

かつて、パパ活女子を見る機会に恵まれた人生だった。古美術にウイスキーと若くない趣味のおかげで、仲間が中年男性ばかりだったのだ。男性には金持ちも多く、側には若い女がいくらでもいた。といってもトップレベルのモデルではない。

 

キャバクラやクラブで遊び慣れた男は思う。話の受け答えができる、適度に賢くて生意気な女子大生はいないのか? こうして六本木や青山のホームパーティに、何も知らない子が足を踏み入れる。

 私だって例外ではない。就活中だった当時、面接の帰りに突然「いまから合コン来れない?」と連絡が来て、初めて六本木ヒルズのパーティへ足を踏み入れたときは心臓が張り裂けそうだった。東京に実家があるとはいえ、閑静な住宅街とギンギラギンの都心は別世界。想像してほしい。エルメスとシャネルに囲まれた黒髪ひっつめ、リクルートスーツのいたたまれなさを。場違いさにしんどくなり、宴会芸でオモシロ変人枠を獲得し、早々に逃げ帰った。

 

そこで、おいとましなかったらどうなるか。

おいとましなかった子は、贅沢を覚えてしまう。都会には何でもある。無垢な女子大生は龍吟 SUGALABOロブションと行っただけで話題になるレストランや会員制のバーもセックスなしで手に入る。だって男性はあなたの知性に惹かれたのだから。

そして好奇心の強い女子ほど、すぐ新世界に慣れてしまう。ことさらに同年代男性が背伸びして連れて行ってくれるお店がつらくてたまらない。こんな店で頑張った感を出されても……と思ってしまい、どちらからともなく関係が切れる。

 

その点「パパ」たちは女子大生の心の濁り具合まで把握している。美味しいレストランに飽きたなら僕が出資している個展へ行こうよ。今度フェラーリ所有者限定の試乗会がサーキットであるんだけどどうかな? そこそこ学もあって知的好奇心が強い女子大生ほど、こんな誘いに惹きつけられてしまう。

しばらく経つと、怪しい場所へも誘われる。麻布で有名なプレイルームもどきの個室カラオケや2人きりの別荘。女子大生はここで選択を迫られる。自分が寝るか、他の女を用意するか

 

パパ活女子はここで男を抱くほどの責任を持てない。もともと自分の知的好奇心を満たすために年上男性と楽しい時を過ごしてきただけで、寝るつもりはさらさらないからだ。だがきらびやかな生活は捨てられないし、今までの恩を無碍にもできない。

「こんど可愛い子を連れてくるね♡」と約束して、パパ活女子は女衒役を買って出る。

 

この世に金持ちと寝たい女子大生が溢れていたなら、彼女も困らなかったに違いない。だが現実には普通の真面目な子たちが圧倒的に多い。パパ活女子が最初は普通の女子大生だったように、彼女が誘い込むのは普通の友達である。その中には「危ない世界」を察知して逃げ出す女性もいるだろう。そうしてパパ活女子はまともな同性の友達を失っていくのである。

女子大生を紹介できるのがバリューだったパパ活女子にとって、友達を失っていくことはおじさん相手の「在庫切れ」を意味する。数年たてば女子大生もただの会社員、おじさんたちからLINEをブロックされて終わりだ。

 

それでも壊れた金銭感覚は戻らない。

たとえば数か月に1度ご飯を奢ってもらう程度なら金銭感覚はぶっ壊れないだろう。だがそれが週に1度となれば話は違う。私が見てきたパパ活女子たちは、おぞましい頻度で贅沢を味わっていた。

就活で外資投資銀行にでも入り込めば「前はおごってもらってましたけど、今や自分の金で週1ロブションですよ、アッハッハ」と笑える豪快な人になるだろうが、そういう子はとっくに逃げ出している。

 

パパ活女子の末路はあまりにテンプレ通りなので詳細を書くほどのこともない。風俗で贅沢を補てんするか、金持ちの浮気相手になるか、病むかだ。

パパ活女子は最初からあざとい女ではない。ただ目を輝かせるだけでもてなされる世界を知ってしまった。それだけなのに同年代の男子と恋愛ができなくなり、友達も失った。男からは体よりもさらに表層的な「若さ」だけを搾取されてしまった

成人同士の付き合いだから、どちらが加害者とも被害者とも言えない。むしろ、女衒になった時点で彼女たちも加害者側だ。ただ私の知っているパパ活女子はいま、数年がかりの追いはぎに遭ったような目をしている。

彼女たちが大量のお金を注ぎ込まれ、奪われたと感じるのは、若さが換金できると知ってしまったからだろう。自分でも気づかぬまま、肉体よりも大事な時間や金銭感覚を販売したと、思い知るからだ。

 

もしあなたに「不動産オーナーのパーティがあるんだって」と誘われたら覗きに行ってもいい。ホームパーティは少し危ないのでオープンスペース限定で。誘ってくれた子がパパ活女子でもあなたへの悪意はきっとない。ただし、見学したらすぐ戻ってきてほしい。もしその贅沢がどうしても欲しくなってしまったら、自分でお金を稼ぐにはどうすればいいかを考えてほしい。

 

※この記事は2016年に初稿執筆し、2019年に加筆したものです。

 

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