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トイアンナのぐだぐだ

まじめにふまじめ

「結婚はまだ?」親戚ハラスメントを解毒する武器を用意しました

年末年始の帰省が嫌だ、という人はどれくらいいるだろう。それぞれの親族は好きでも、一同に集まるのはちょっと辛い。共通の話題は「最近あったこと」くらいしかなく、場をもたせるのに苦労する。

 

親族の一部には「結婚はまだなの」「子どもは?」と彼らの世代では当たり前だった人生を押し付けてくる人もいる。今期のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』でも見せて、

「私達の周りにはたくさんの呪いがある。あなたが感じているのもその一つ。自分に呪いをかけないで」

と百合ちゃんばりに返したいものだが、現実の私たちって何て無力なのか。むしろ自分がアウトコースにいるんじゃないか? 25歳で結婚して子供をポンポンと3人産んだ従姉妹を見ながら自分が嫌いになる。だから、帰省はユウウツだ。

 

と、思わせないためにここからの文章を書く。帰省の前に読んで、あらかじめ自分を解毒しておけるように。少しでも勇気が湧くように。

 

親戚から飛んでくる呪詛と解呪の言葉8つ

まずは、よくある親戚ハラスメント私が一つずつぶった切る。毒など恐れるに足らず。汚物は消毒だ~!

 

ハラスメント1「もういい年なんだから結婚したら」

あなたは結婚してもいいし、しなくてもいい。そもそも「いい年」って何だろう。平均初婚年齢は1993年から2011年で3歳くらい上がったし、独身女性の6割は彼氏がいない。結婚するのが当たり前の時代は終わっている。むしろ恋愛感情を誰かへ抱いたり、告白して付き合うことは一部の人が経験するイベント。

 

ハラスメント2「あんたの介護は誰がしてくれるの」

と、先々を心配する声が挙がっても心配しなくていい。どうせ結婚しても大抵は男性が先に死ぬ。介護するのはこっちの方だ。あなたの介護は子供の仕事? でも、子どもがいたところで介護を期待する時代でもない。現に私たちが親や祖父母を老人ホームへ預けているし、その方がお互いに楽だと知っている。

これからは独身が老後を一緒に過ごすためのシェアハウスやおひとりさま向け高齢者マンションなど新しい世代へ対応したサービスが生まれていくだろう。適当に検索しただけで、1つ見つけた。これからもっと増えていくだろうし、氷河期世代に合わせた安価なプランも増えるはずだ。ニーズがあるところには、市場が生まれるんだから。

 

ハラスメント3「子どもを産める年齢は限られてるんだから」

というのは事実だけれど、子供を産むかどうかはあなたが決めていい。結婚して産まなくちゃいけない法律はない。昔は結婚している夫婦と、そうでない夫婦の間に生まれた子で財産分与が違ったけれど今はそうじゃない

だいたい、若いから産めるかどうかなんて分からない。20代の5人に1人は「やせすぎ」で妊娠力の低下が懸念されている。結婚して産めなかったら、その夫婦は失格だとあなたは思うだろうか? そんなことより2人の愛が大事、とあなたは信じられる人だと思う。だったら、産むために結婚する理由はない。

実子にこだわらないなら養子縁組を考えてもいい。さまざまな背景から、生みの親と暮らせない子どもが約4万人もいる。どんな子でもあなたの影響を受けるから、きっと素敵な子になるだろう。だって、親戚のいうがままにならないあなたは、自立した素敵な人なんだから。

 

ハラスメント4「この年になったら、孫の顔を見せるもんだ」

まず、孫を一番期待しているはずの親はあなたが不幸せな結婚と子育てをするより、楽しい独身でいてくれた方がなんだかんだ幸せである。だからあなたの幸せを最優先にしても罪悪感を抱くことはない。これまで人生相談を数百人からいただいた私の経験からして、不幸な結婚をしている我が子を抱えた親御さんの方がよほど辛そうだ。あなたが今幸せならそれが親孝行である。

それに、唯々諾々と結婚して子供も産まれたとしよう。我が子に「何で僕・私を産んだの?」と訊かれて「親に子作りしろって言われたから」って答えられるだろうか。そんな「門限までに帰りなさい」と躾られたのと同じように、他人の人生を生み出していいのか。できれば「きっと素敵な子が生まれてくれると思ったからだよ」と、語ってあげたくない?

愛がなければ結婚しちゃいけないわけでもない。それこそ、相互利益も換算して結婚するのは大いにありだと思う。けれど「あなたは愛されている子だよ」というメッセージを与えられる自信が生まれてからでもいい。

 

ハラスメント5「嫁をもらって養うのが甲斐性だろう」

特に男性はこう言われるかもしれないけれど、今は共働き世代が専業主婦よりずっと多い。親世代では専業主婦が多かったから彼らにとっての「当たり前」かもしれない。でも、それは今の当たり前じゃない。

あなたが家事の得意な男性なら、仕事が好きな女性と結婚して主夫になってもいい。女性だからって養われる方が偉いこともないし、逆に専業主婦が劣っているわけでもない。得意なことを活かせば、もっと多くの人が幸せになれる。

 

ハラスメント6「女なんだから家事くらいできないと」

今どき全ての人類は最低限の家事くらいできたほうがいい。が、それもアウトソーシングできる時代だ。私は過去に何度も家事代行へ助けられている。もしあなたが家事を好きじゃなくて、代行依頼するだけで人生が幸せになるならそれが一番。だって、あなたの人生は他の誰よりもまずあなたが幸せになるためにあるんだから。何なら、年末年始の片づけだって代行を呼べば誰も皿洗いしなくて済む。今のうちに提案しておくのはどうだろう?

 

ハラスメント7「男なんだから酒くらい飲め」

アルハラに厳しくなった現代でも、プライベートの集まりでは急にこんなことを言いだす人間がいる。アルコールの許容量は人によって違うし、酒で仕事が決まる一部の職業に就かなければあなたの能力とは何も関係ない。あなたが飲まないことで同じく飲めない親戚が助かるかもしれないし、逆に飲める女性はほっとして「じゃあ、私がもう一杯いっちゃおうかな」と思えるだろう。飲まないあなたにも価値がある。

 

ハラスメント8「女の子がそんなに仕事しなくても」

そんなに仕事をしないと生きられぬ経済状況にしたのはどの世代だっけ? という嫌味はさておき、男女問わず仕事さえできれば出世できる企業も少しずつ増えてきた。いつか家庭を理由に出世コースを降りるかもしれないが、そんな心配は実際にぶつかってからすればいい。仕事が楽しくて出世したいなら、支えてくれそうな彼を扶養に入れたっていい。そしてもちろん、家庭に入りたい男女もそう願っていい。

 

呪いの言葉へ傷つかず切り返す解呪の言葉

と、道理は判ってるけど傷つくんだよね……。という現実に対抗するためにも、どう切り返せばよいかもお伝えしたい。

 

「〇〇さんのときはそんな感じだったんですか?」

たとえば叔母さんに「いい年なんだから、そろそろ結婚話とかないの?」と言われたらすかさず、「叔母さんのときはそんな感じだったんですか?」と返してみよう。

人は基本的に、他人の話を聴くより自分の話をする方が好きだ。だからこう突っ込めば延々と過去のデートや結婚式の話を引き出せるだろう。バブル時代の結婚式なんてアラサー世代からすれば純粋なエンターテインメントとして聞ける。ちなみに私の叔母はゴンドラに乗ってスモークと共に登場したらしい。すごい。

 

まずは結婚式あたりの話を聞いて、次に苦労話を聞いてみよう。「でも大変だったこともあるんじゃないですか?」と。

「そうそう、あの人ったら新婚旅行で英語がろくにできないくせにウエイターへ気取っちゃってね」「おいおい、よせよ」なんて話させるうちにあっという間の1時間が経過する。話好きの親戚がいるなら必殺技となるだろう。

 

ぶっ飛んだ近況報告を用意しておく

最初の一手すら相手に打たせない方法もある。ぶっ飛んだ近況報告を用意しよう。なぜ親戚がネチネチ結婚や子作りの話をしてくるかといえば、無難と彼らが勘違いしている話題がそれくらいしかないからだ。普段顔合わせをしない家族にとっては、内輪ネタくらいしか放り込める球がないのである。

だったら、相手が「はあ!?」とのけぞって、そのまま井戸端会議で「聞いてよ、この前のお年始でね」と話したくなるような近況を用意しておけばいい。

 

私の例はあまり汎用性がないけれど、前はこんな感じで伝えていた。

「アンナちゃん、最近はどう?」

「最近はナンパにはまってて、男の子にバーで声かけしてるんですけどあれはいいですね。お持ち帰りしやすくて」

後から親に叱られても「いいじゃない別に。ちょっと心配事があるくらいの方がみんな長生きするって」としれっと返していた。実際、親族は私を心配してあの手この手のアクションを起こし90代に差し掛かるいまも元気いっぱいである。

最近は親も慣れてきたのか「そろそろトラブルを仕込んでちょうだいな。最近〇〇さんが元気なくてねえ、心配事くらいあった方がよさそうよ」なんて言い出した。(蛇足だが私がナンパに批判的な文章を書くのは、自分がもともとナンパしまくっていた反省だったりする)

 

ここまで自分を貶めなくても「自転車で事故って3m空を飛んだ」とか「ノロウイルスに1年で3回かかった」みたいな話で十分場は盛り上がる。なおこういう時はおめでたい話より「やや不幸」くらいの話が一番場もちするので、今年最大のちょっと恥ずかしい苦労談を用意するといい。

 

ざっと、親戚からのハラスメントを解呪する言葉を並べてみた。クリスマスの記事でも書いたが「クリスマスにカップルはプレゼントをもらう・あげるべき」なんてルールは無くてもいいのと同じように、結婚しても・しなくてもあなたは幸せになれる。何歳に恋をしてもいいし、子どもはいてもいなくてもいい。あなたが自分で人生を決断していく限り、どんな結末も納得できるはずだから。たとえ人生で後悔することがあっても「親のせいでこうなった」と恨むことなく自分で責任を引き受けられたほうが、ずっといいんだ。

 

よい年末年始をお過ごしください。

 

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最後に宣伝。「本当に結婚したい?それ親の言葉を内面化してない?」と婚活の考え方から詰め詰めする婚活本ができました。なお「恋愛ストラテジスト」という肩書にツッコミを入れた人間は、Twitterでミュートします。

 

 おそまつ!